ヒョンデ アイオニック5 「世界的評価の高いBEV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

4

デザイン
5
走行性能
4
乗り心地
3
積載性
4
燃費
3
価格
3

世界的評価の高いBEV

2024.12.23

年式
2023年5月〜モデル
総評
ヒョンデの中核的なBEVモデル。5ドアハッチバックボディだがサイズは大きめでボリューム感もタップリだ。そのため車内はとても広く快適。デザインや色合いは明るめで開放感も高い。各種スイッチ類は物理ボタンを残していることから操作性が上質でわかりやすい。充電中の待ち時間に活用する「運転席/助手席リラクゼーションコンフォートシート」は秀逸。
満足している点
欧州で高い評価を得るには走行性能と快適性能を高い次元で両立させていることが条件になる。その点、アイオニック5はいずれも優秀だ。このモデルはBEVしかないが、このスタイルと使い勝手を保ったまま、仮に内燃機関モデルを造ったとしても支持を得たのではないか。ADASは種類だけでなく光学式カメラを積極的に使い日常運転の安全にも寄与する。
不満な点
日本で乗るには車幅1890mm(5Nは1940mm)の制約を受けやすい。実際には運転席からの見切りは良く、タイヤの切れ角も大きい。さらに最小回転半径も5.9mとサイズを考えれば取り回しは良い部類。しかし、駐車場では幅が枠いっぱいになる。また、84kWhの大容量二次バッテリーを搭載していることから、車両重量はどのモデルも2トン以上と立体駐車場では制約を受けやすい。
デザイン

5

画像や映像での確認と、実車を目の前にするのでは印象が大きく違う。最初はギョッとしたが実車を見て印象が大きく好転した。パキパキのスタイルに見えたが、実車の面構成はふくよかでボリューム感があり、さらに直線ラインをうまく織り込んで独自のデジタルチックな世界観を演出している。また、明るい〜暗いボディカラーまで、どんなカラーリングとのマッチングも良い。
走行性能

4

標準モデルの他に、スポーツモデルであるアイオニック5 Nが追加された。ボディは前後バンパーやフェンダー形状を変更してビッグ&ワイド化。前後トレッドも拡大した。肝心のモーター出力は前74kW/後165kWから、175kW/303kWへ大幅向上。システムの最高出力は478kW(650PS)を誇る。2210kgのボディを停止状態から3.4秒で100km/hまでいざなう。
乗り心地

3

標準モデルは徹底してしなやかだ。路面のつぎめや凹凸もなめらかに通過する。車両重量を活かしたスプリング/ダンパー設定によるものだ。前席ではシート座面が大きなこともあり、小柄な人だと若干太ももあたりの落ち着きに欠いてしまうが面圧分布が適正なので軽い体重の人でもしっくりとくる。スポーツモデルの5 Nは引き締められたサス設定と、それに合わせて高められたボディ剛性によりややハードだが、スッキリ感が強められ乗りやすい。
積載性

4

ボディが大きく、リヤゲートの開口面積が広いことから積載性能は高い。リヤゲートには電動パワー開閉機構が付くので便利だ。ただ腰高のボディスタイルからラゲッジ床面が若干高く、それに伴ってリヤゲートのハンドルや電動開閉のスイッチが高めに位置する。後席は6:4の分割可倒式で、テールゲート側からレバー操作で簡単に倒せる。
燃費

3

BEVなので電費性能がその指標になる。標準モデルは84kWhの二次バッテリーで、WLTC値では6.75〜7.75km/kWh、一充電あたりの走行可能距離であるAERは616〜703kmと十分な値。スポーツモデルの5 Nは同じく84kWhでWLTC値は5.98km/kWh、AERは561km。回生制御が優秀で、乗り方次第ではWLTC値に近い数値はなんなく達成できる。
価格

3

標準モデルは「Voyage」の523万6000円〜「Lounge AWD」の613万8000円。CEV補助金は45万円で他を組み合わせれば約50万円分が対象になる。5 Nは単一グレードで858万円。こちらのCEV補助金は35万円で3万7500円相当が優遇税制対象となる。性能からすれば車両価格は割安だ。装備も充実している。しかし、実際には販売店での点検整備が不可欠で、その意味では少ない取扱い店舗数が課題だ。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
ヒョンデ アイオニック5 新型・現行モデル

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

※ 掲載しているすべての情報について保証をいたしかねます。新車価格は発売時の価格のため、掲載価格と実際の価格が異なる場合があります。詳細は、メーカーまたは取扱販売店にてお問い合わせください。

ユーザーレビューを投稿する

ユーザーレビューを投稿する

※自動車SNSサイト「みんカラ」に遷移します。
みんカラに登録して投稿すると、carview!にも表示されます。

ログイン

中古車探しをもっと便利に

  • 中古車お気に入り管理
  • おすすめ中古車の表示
carview!の最新情報をチェック!
Facebook
carview!公式Facebook
最新のクルマ情報をお届けするcarview!オフィシャルページ(外部サイト)

carview!公式X(旧Twitter)
carview!の中の人がクルマ情報をポストする公式アカウント(外部サイト)
OSZAR »