電動フォーミュラカーのレース、「ABB FIAフォーミュラE世界選手権」の東京E-Prixダブルヘッダー、第8戦・第9戦が5月17~18日に開催される。16日のフリー走行で、トップタイムは日産フォーミュラEのノーマン・ナトー選手だった。
●速くなった今年の東京E-Prix
タイムは1分12秒152。2番手は、昨年の東京E-Prixで優勝した、DSペンスキーのマクシミリアン・ギュンター選手が1分12秒430を記録、3番手はナトー選手のチームメイト、オリバー・ローランド選手が1分12秒469だった。昨年のファステストラップは、決勝はローランド選手の1分27秒068、予選も同じローランド選手の1分18秒855だったので、かなり速くなっている。
フォーミュラE 東京E-Prix第8戦、雨の混戦をヴァンドーンが制す…ピットブーストに成功
なお16日のフリー走行では、NEOMマクラーレンのテイラー・バーナード選手がターン16から17の間でフェンスに接触、怪我はなかったようだが、早い時間帯にコースから姿を消している。
ドライバーズランキングでは、日産フォーミュラEのローランド選手が115ポイントで首位。2位のタグホイヤー・ポルシェのアントニオ・フェリックス・ダコスタ選手に48ポイントという大きな差をつけている。ランキング3位はさらに1点差で、同じくポルシェのパスカル・ヴェアライン選手。
東京湾岸エリアの東京ビッグサイト周辺に設置された市街地コースは、全長2.575km。コースは18のコーナーと3本のストレートからなる、コンパクトでテクニカルなレイアウトだ。
●アタックモード発動!! ゾーンを抜けると速くなる
ターン4の外側に配置された「アタックモード」発動ゾーンは、レース展開に重要な戦略性を加える要素だ。アタックモードでは、一定の時間、通常のマシン出力300kWに50kWを追加して走行できる。今季導入されたGEN3 Evoシャシーでは、フロントモーターの駆動も解禁され、4WDになる。
ただしアタックモードを発動するには、レースラインを外れたアクティベーションゾーンを通過する必要がある。タイムやポジションを一時的に失うリスクを負いながら、アドバンテージを得るのだ。日産フォーミュラEでチーフパワートレインエンジニアを務めた西川直志車両開発部主幹は、「前戦のモナコE-Prixの場合、通常出力よりラップタイムを5~6秒短縮できる」と言う。アタックモードを起動すると、マシンのヘイロー(運転席の保護枠)にある表示灯の色が青に変わり、ブーストがかかるとピンクに変わるので、観客席からもわかる。
●ピット・ブーストで、順位とパワーを比べる
さらに17日の第8戦では「ピット・ブースト」も導入される。ピット・ブーストは、34秒間のピットストップ中に、30秒間の600kW急速充電を実施し、レースカーに10%の追加エネルギー(+3.85kWh)を供給する“アタック・チャージ”だ。
ピットブーストはすべてのドライバーに義務付けられる。順位を落とすリスクを冒しながらレース中にエネルギーをブーストするわけだ。このピットストップにより、前述のアタックモードが2回解禁される。チームは、ピットブーストとアタックモード、2種類の戦略要素を並行して管理しなければならない。日産フォーミュラEは、これまでにピットブーストが導入されたジェッダ第4戦で2位、モナコ第6戦で1位を獲得しており、うまく使いこなしているようだ。
日産自動車は、2030年までのフォーミュラE参戦を表明した初めての自動車メーカーだ。西川主幹は参戦の目的について「電気自動車の知見を得るため」と言う。フォーミュラEの技術を市販のEVに活かす、また逆に市販EVの技術をフォーミュラEに流用する。ただし技術や部品がそのまま流用されることはない。「学びを得るため、フォーミュラEに参加している」と西川主幹。
今シーズンの日産フォーミュラEマシンは、西川主幹がチーム在籍時に開発をまとめたパワーユニットを搭載している。モナコE-Prixのラップタイムを2秒ほど縮めたという。「バッテリー、シャシー、フロントパワーユニットは全チーム共通。そしてリアモーターの出力は限定されている。つまりフォーミュラEマシンの性能開発は効率が要。効率を上げた」と説明する。
東京E-Prix第8戦・第9戦は、いずれも日本時間15時05分にスタート予定だ。第8戦が開催される17日は雨の天気予報だが、タイヤは雨とドライで同じタイヤを使う。タイヤはハンコックが供給する専用の18インチの溝付きオールウェザータイヤだ。タイヤの種類・使用本数を減らして、生産時に排出されるCO2を削減することが意図。
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